自己啓発はレッドブル

自己啓発やビジネス本を昔よく読んでいた。起業家の成功ストーリーや、芸術家の名言集など、読後の満足感は高く「これからの人生頑張るぞ!」という気持ちにさせてくれる。燃える。

たまにセミナーや講演会にも足を運ばせていた。著名な起業家や、俗に言う成功者のありがたいお話を聞いて「よしビッグになるぞ」と気合いを改めて入れ直していた。飲み会などの交際費で常に金欠だったので、こちらは無料のものだけだが。これも、燃える。

昨日も書いたが、ビッグになること、成功することへの熱がここ数年で一気に冷めたこともあり、今になって振り返ると自分の頭に「自己啓発レッドブル」という等式が浮かぶようになった。

レッドブルはみなさんよくご存知かと思います。モンスター派もいますね、その人はモンスターと思って読んでくだせえ。ちなみに僕は圧倒的レッドブル派。飲んだら毎回翼が生える。学生時代はよくテスト前日に飲んでいた。今はお店でたまにレッドブルウォッカを調子に乗って飲むくらい。

飲んだら一気に気合いが入る。モリモリとエネルギーが生まれる。スーパーサイヤ人になったかのような全能感。あの感覚が200円ちょっとで飲めるなんて、物価にマジ感謝。しかし、こちらもご存知の通り、飲んでしばらくすると効力が消える。残念なことに時間制限がある。スンと冷める。

自己啓発書とまるで同じ。「人生を成功させる法則」が書かれた本を読んで本当に全員成功してたら、自己啓発書の需要が一気になくなる。世の中に「あ〜おれ人生成功したわ〜自己啓発書書きてぇ〜でもニーズねぇ〜」と嘆く大人が増えるだけ。でも現実は、相変わらず全国の書店に自己啓発書が大量に並んでいる。続々と新刊も出ている。

自己啓発書を読むだけじゃ人生変わらんです。寂しい。読後の「よっしゃ〜」は時間制限あり。レッドブルと同じ。

あ、ちなみに自己啓発書が悪みたいな書き方をしていますが、無駄なものはないと思っております。まあ世に出てるほとんどを胡散臭いとは思いますが。読後の全能感を維持し、冷めた後以降の行動を変える人が本当に成功するんだと思ってる。エネルギーを上手く使えばいいもの。あとはエンタメとして割り切る。レッドブルの味が好きな人と同じ。

岡本太郎大先生の「自分の中に毒を持て」は敬愛してます。初めて読んだ時から10年弱。今でもたまに読み返して、岡本太郎先生から狂ったエネルギーを分けてもらってます。すぐ冷めるけど。